ESBL(extended-spectrum β-lactamase)産生菌
- Klebsiella pneumoniaeやEscherichia coliなどが保有する伝達性プラスミド上にコードされているβラクタマーゼ産生遺伝子が、突然変異により分解可能な薬剤の種類を広げ、第三世代のセフェム系(セフタジジム・セフトリアキソン・セフォタキシム)をも分解するβラクタマーゼを産生するようになったもの。
- クラブラン酸などのβラクタマーゼ阻害薬によりその活性が阻害される。
- 第3世代セフェムに耐性の時、ESBLを考える。ただし、AmpCとの鑑別が必要。AmpCではクラブラン酸により活性は阻害されない。
- ESBL産生菌は主にK.pneumoniae・E.coli の報告が中心であるが、最近ではSerratia marcessense・Enterobacter cloacae・Proteus mirabirisなど多菌種に広がってきている。
- 治療はカルバペネム。欧米のとは異なり、日本ではセフォマイシン(セフメタゾン:第2世代セフェム)などが有効の時もあるが、基本的にはカルバペネム。