マクロライド系抗生物質

慢性の咳(原因は副鼻腔炎や過敏性肺炎、喘息、結核など)に漫然とマクロライドが処方されてきたが、効果があると証明されているのは成人百日咳の初期治療と、びまん性汎細気管支炎への少量長期投与のみ。
このほか、典型的な使用例としては、非定型肺炎、クラミジア感染症(淋菌感染時にも使用)、MAC(非定型抗酸菌)などのマイコバクテリア、ピロリ菌、カンピロバクター感染(←ニューキノロンには耐性)など。

  • エリスロマイシン(EM):点滴が必要な時か、下痢の副作用を逆用する時のみ使用。
  • クラリスロマイシン(CAM):ピロリ菌の除去や、MACに対してエタンブトールなどと併用。

上記二薬剤とも消化器症状が多く、シクロスポリンやワーファリンの濃度を上げる相互作用がある。

  • アジスロマイシン(AZM):1日1回服用。薬物相互作用少ない。アジスロマイシンの保険適応は3日間だけだが、細胞内濃度が長く保たれる特性から、細胞内寄生性の感染症に1週間は効果あり。
  • クリンダマイシン(CLDM):非定型肺炎には効かない。GPC(肺炎球菌、黄色ブドウ球菌、連鎖球菌など)や口腔内の嫌気性菌に有効。誤嚥性肺炎に使われる。偽膜性腸炎を起こしやすい。
  • テリスロマイシン(TEL):