ST合剤(Sulfamethoxazole,Trimethoprim)

2剤を配合。微生物の葉酸合成系を阻害しsynergy効果を生んでいる。
S:T=5：1(バクタ1T・バクトラミン1Aは400mg：80mg)
カリニ肺炎では4〜5mg/kg投与(Tで換算する)。

・細菌以外にも効く。
・たいていの陽性菌・陰性菌に効く(嫌気性菌・緑膿菌には効かない)。
・bioavailability良好。
・色々な組織(肺・尿・髄液・胆汁)への移行性が良い。
適応：

  • カリニ肺炎(PCP)：緩徐な進行の高熱・hypoxia(特に労作時)。4〜5mg/kg。バクトラミン3A。初期治療は6hおき。呼吸苦を伴っていたら必ずステロイドを併用。
  • 市中肺炎：肺炎球菌、インフルエンザ桿菌、モラキセラなどもカバーしているので、市中肺炎とカリニ肺炎の鑑別が難しいHIV患者などの場合、ST合剤を使うのであれば、さらに市中肺炎対策としてβ-ラクタムを追加する必要なし。非定型が心配な時はマクロライドを併用。
  • 尿路感染症：前立腺炎治療にも有効(β-ラクタムでは効かない)。
  • 軟部組織感染・腹部感染症
  • ノカルジア・リステリア・ステノトロフォモナス マルトフィリア・トキソプラズマ
  • Wegener・Whippleなどにも･･･。

副作用：

  • 皮疹(3〜4％、HIV患者では高率になる。Stevens JohnsonやTENに注意。)→脱感作で治療する。
  • 高カリウム血症
  • 血球減少
  • クレアチニンの上昇(おそらく大丈夫な事が多い)

相互作用：

  • フェニトイン・MTX・SU剤・ワーファリン・ジコキシン→濃度上昇
  • 経口避妊薬→濃度減少