アゾール系

  • MCZミコナゾール(フロリード)…1986年。薬物動態が悪く副作用も多いため、現在ではあまり使用されていない。
  • LCZフルコナゾール(ジフルカン・ミコシスト)…1989年。安全性高いが、カンジダですら△であり、静菌的。カンジダで感受性あれば第一選択となる。アスペルギルスには効かないのが弱点。5mg/kgが通常量であり、大体200mg/day点滴静注されている。この量では不十分?
  • ITCZイトラコナゾール()…1993年。スペクトラムを広くした(アスペルギルス△)。薬物動態悪い(吸収性悪い)。眼への吸収や中枢神経への移行が悪い。
  • FFLCZホスホフルコナゾール(プロジフ)…2004年。FLCZのプロドラック。Loading doseあり。輸液負荷が少なくなる。FLCZより高容量投与可能。初日800mg、翌日より維持量400mg(腎機能障害ある人は両者とも半量投与)。
  • VRCZボリコナゾール(ブイフェンド)…2005年。FLCZとITCZを改善したもの。薬物動態良好。アスペルギルスにスペクトラムが広がった。Loading doseあり。点滴の場合、6mg/kgを2回⇒4mg/kg or 3mg/kgを2回。内服なら、300mgを2回⇒200mgを2回。視力障害・タクロリムスと相互作用あり。
  • ポサコナゾール…日本では未発売。

ポリエン系

  • AMPH-BアムホテリシンB(ファンギゾン):1962年。広いスペクトラム。発育期・静止期いずれにも殺菌的に作用する。maxで1mg/kg/day。腎障害・低K血症を起こす。
  • L-AMB(アムビゾーム)…2006年。腎障害対策。maxで5mg/kg/dayまで使える。

アスペルギルス症

  • 肺アスペルギローマ:肺結核後などにより肺に空洞のある人。外科療法が根治術。喀血があると抗真菌薬を開始
  • アレルギー性気管支肺アスペルギルス症(ABPA):治療はステロイド薬。経口抗真菌薬は補助的。重症患者ではITCZを使用するべきか。
  • 侵襲性アスペルギルス症(IPA):好中球減少患者に多い。極めて予後の悪い疾患。AMPH-BかVRCZを使用。
  • 慢性壊死性肺アスペルギルス症(CNPA):治療の適応(抗真菌薬の投与)となる。数ヶ月にわたる長期投与が必要。肺嚢胞や空洞を基礎疾患に持っており、慢性に進行するアスペルギルス症である。アスペルギローマの人で手術されなかった場合には、CNPAに進行していないか観察する必要あり。