作用の違い

       ベラパミル  ジルチアゼム   ニフェジピン  ベプリジル
冠動脈拡張   ++       +++       +++
末梢血管拡張  ++       +        +++
心収縮力    ↓↓      ↓        ↑
心拍数     ↑↓      ↓        ↑
房室伝導    ↓↓      ↓        ↑↓

  • ベラパミルverapamil(ワソラン)

PSVTやAf・AFのレートコントロール・ベラパミル感受性心室頻拍(右脚ブロック+左軸偏位)などに使われる。

  • ニフェジピン(アダラート)

アダラートの舌下錠は、急激に降圧するため、現在では用いない。

  • ニカルジピン(ペルジピン):

脳出血や解離性大動脈の急性期の血圧管理に用いる。2γ位から開始。

HTに良く使われる。DM合併の高血圧患者では、腎症の進展を抑えるためACEI・ARBを、心脳イベントを減らすためCa blockerを降圧薬として投与する。

  • エホニジピン(ランデル):塩野義

L型チャネルと共にT型チャネルも阻害し、輸入・輸出細動脈を拡張させ、腎保護作用を持つ(普通のCa拮抗薬はL型カルシウムチャネルのみ阻害し、輸入細動脈のみ拡張させるため、糸球体圧が上昇する)。JATOS。

  • ジルチアゼム(ヘルベッサー)

ベラパミルよりmildな抗不整脈効果。日本発のCa拮抗薬。大動脈解離の時に降圧目的にて使うことがある(効果はマイルド)。
頻脈傾向のある高血圧患者→ジルチアゼムが良い(ニフェジピンではHR上昇作用あり)。
高齢者でβブロッカー+ジルチアゼムはちょっと不安(陰性変力作用のため)。

  • ベプリジル(ベプリコール)

Ⅰ群+Ⅲ群作用も持っており、その他の組織の関与するリエントリー性頻拍に使用。他の抗不整脈薬が無効の場合に使う傾向にある。効果は強い。200mg/dayを超えて投与することは避けたい。